花火大会に行けなかった私
今日は「高松まつり」の花火大会だ。
この祭りは、私が住む香川県で一番大きなイベント。
県民はもちろん、帰省で帰ってきた家族や観光で来た人など、本当にたくさんの人が見に来る。
素晴らしいほどの込み具合。
今年は8,000発の花火が打ち上げられるらしい。
去年はちょうど50周年で、12,000発の花火が打ち上げられた。
それはもう、とても素晴らしかった。
もちろん今年も見に行く予定だった。
行きたかった。
のに。
部活の遠征が入っていた。
数少ない友達に「一緒に行こう」と誘われても、「遠征があるから」と断った。
断っていた。
のに。
顧問の先生が、遠征の日程を1日ずらした。
今日、つまり花火大会当日が通常練習になった。
「花火大会行けるやん!」
誘ってくれた友達の予定を少し聞いてみる。
当たり前だが、私以外の友達と花火大会に行く約束をしていた。
仕方がないから、普段仲良くしてくれている友達に片っ端から予定を聞いてみる。
(…だめだこりゃ)
みんな他の友達を連れて花火大会に行くそう。
「奇数クラスで二人ペアを作れ」と言われ、はみ子にされた子の気分だ。
大体そういう子には先生が「先生とペアくもっか」って言ってくれるのに、私にはそういう人もいなかった。
かといって、一人では行けない。
夜はちょっと怖い。
しかも私は、浴衣を着て花火大会に行きたかったのだ。
せっかく作った浴衣を着たかった。
浴衣を着たい、花火を見たい、でも一人。
その条件だと、浴衣を着た少女が一人で歩くことになる。
あ、一眼レフを首から下げて。
うーん、写真撮ってたら友達とはぐれちゃったみたい、可哀そう。
私を憐みの目でみるリア充達。
勝ち誇った顔をしているだろう...。
あぁ、寂しい。
毎年家族で行っていた花火大会。
今、妹と母は実家に帰省中だ。
家は父と私の二人だけ。
うるさい二人がいないから、とても静かだ。
きっとダイニングにいる父にも、キーボードを打つ音とマウスのカチカチッという音が聞こえているだろう。
そんな静かな部屋だからこそ聞こえるのだろうか。
微妙に「ドンドン、ドンドンッ」と花火の音がする。
自転車で1時間かかるほど遠い場所なのに。
フィナーレかな。
いいなぁ。
そして数分後。
重そうな電車の音。
そんな音さえ愛おしい。
花火大会終了後の電車や駅は異常だ。
まるでコミケだ。
(行ったことないけど)
来年は行きたいなぁ。
できれば家族や友達と。
そりゃあ彼氏がいたら最高だけれども。
誰かが一緒にいてくれるだけで十分。
素敵な時間を過ごしたい。
今年は花火を見に行けなかったけど、今の素直な気持ちを記事にできたからいいかな。
あとはリア友のツイートの写真で楽しもう。
来年の花火大会は、いい時間を過ごせますように。